まず、グルテンとは
グルテンとは小麦に含まれるタンパク質
小麦にはグルテンというタンパク質が含まれています。
現代の小麦は、育てやすいように品種改良を重ねて、グルテンをたくさん含んだ小麦になりました。自然界にはない、不自然な形になると、人間の消化器官には、消化が難しくなります。
特に日本人は昔から小麦を食べてきたわけではないので、小麦の消化は不得意な体質の人が多いです。
グルテンは腸壁を傷付ける
グルテンは小腸の腸壁を壊しやすいのです。腸壁に傷が付くと、そこから小腸の細菌や食べ物に付着していた毒素(重金属、寄生虫、毒性のある食品添加物)が、血管内に入り込み、全身に運ばれ、倦怠感や肌荒れなどの不調を引き起こします。便秘や下痢になる人もいます。
普段より健康体で腸内フローラも整っていて、腸壁も厚く丈夫な人は、グルテンの害を感じにくいです。
反対に胃腸が弱い人は、グルテンの害が出やすいです。しかし、胃腸の調子を崩せば、誰でもグルテンによって、諸症状が出る可能性があるということです。
グルテンフリーとは
グルテンフリーとは、小麦を避けた食事
グルテンフリーとは、小麦の摂取を控え、グルテンを体内に入れずに、小腸に優しい食生活にするということです。つまり、腸活の一種と考えることもできます。
グルテンフリーのメリット
便秘や下痢をしやすい体質の人は、グルテンを避けることにより、腸壁が整い、胃腸の調子が良くなり、便秘や下痢が治る可能性があります。
また、脳腸相関により、腸の状態が悪いと脳の状態も悪くなります。腸内環境が悪いせいで、鬱症状が発生している場合もあります。グルテンフリーをはじめて、イライラしなくなった、落ち込まなくなった、メンタルの調子が良くなった、という人も多くいます。
そして、腸は体の免疫力を司っています。なんと全身の免疫システムを担う免疫細胞の約7割が、腸に生息しています。腸は「最大の免疫器官」なのです。腸を整えることで、免疫力が上がり、風邪も引きにくくなります。免疫力を上げるということは、アンチエイジングにも繋がります。
また、肌は内臓の鏡と言われており、皮膚と内臓は表と裏の関係にあり、皮膚の症状は身体のSOS信号として現れることもあります。
腸壁や粘膜が乱れると、肌のバリア機能も乱れます。ちょっとした外部の刺激で、炎症を起こしてしまい、アトピーや肌荒れになります。
花粉症などのアレルギーも粘膜が整うことで、改善することがあります。腸壁が乱れることで、全身の粘膜が乱れると、目や鼻の粘膜が、花粉などのアレルギー物質に、敏感に反応してしまうことがあります。
これらの諸症状がある人は、グルテンフリー生活をおくることで、体調が改善する可能性があります。小麦を抜いてみて、体調が良くなる人は、グルテンフリー生活を続けてみましょう。
グルテンを解毒する
水溶性食物繊維は、腸の粘膜を保護し、腸の蠕動運動を促進します。また、腸の炎症を制御する短鎖脂肪酸の材料にもなります。日頃から摂取するように心がけましょう。
おすすめは、もずく、オクラ、寒天、長芋、里芋、ワカメ、なめこ、モロヘイヤなどです。粉寒天は熱いお茶やお味噌汁に振りかけるだけで採れるので簡単ですよ。反対に、納豆にはたくさんのカビ菌がおり、食べると腸のカビ菌を増やすことになるので、健康のために食べることはおすすめしません。
もし小麦の不耐性の人が、グルテンを摂取してしまい、体調が悪くなった場合、グルテンやグルテンの炎症を解毒した方がいいでしょう。
筆者の解毒方法は、グリーンパパイヤリーフティーとナツメグを飲むことです。
グリーンパパイヤリーフティーはAmazonなどで購入できます。ナツメグはだいたいどこのスーパーでも売られています。スパイスのコーナーにありますよ。
グリーンパパイヤリーフティーにナツメグを2、3振り入れて、空腹時に飲みます。グルテンやグルテンの炎症の解毒を助けてくれます。
胃の中が空の方が、薬膳的効果が出やすいので、食後は2時間以上あけてから、飲むようにします。
小麦を食べるとわかっている時は、食べる前に飲むと良いでしょう。
これでもまだ症状が治まらない場合は、漢方薬で解毒します。
釣藤散を1包と、四物湯を1/2包、一緒に飲みます。1日1回で、こちらも空腹時です。筆者の元主治医の先生が、小麦の解毒のために考えた特別な組み合わせです。(これらの漢方薬の本来の目的とは違った使い方になります。)この時、他の薬やスパイスやお茶などと同時に飲まないように注意します。効果が半減してしまいます。
漢方薬を購入する場合は、漢方薬局などでは少量から購入することができますよ。漢方薬も薬の一部ですから、持病や服用している薬がある場合は、薬剤師さんによく相談してから、飲んでくださいね。
筆者はこれらの方法で、グルテン不耐性の症状が落ち着きますが、全ての方に当てはまるとは限りませんので、お含みおきください。
グルテンフリーで体調を整えよう
小麦を完全に避けることは難しいので、最初は少しずつ小麦を減らしていくことをおすすめします。
小麦を使った料理も少しずつ覚えていきましょう。現代の食事には、小麦はとても頻繁に使われています。パンやパスタ、うどん、素麺、ピザ、ケーキ、お好み焼き、たこ焼き…などだけではありません。ハンバーグのつなぎや、天ぷらの衣、お味噌汁のお麩など、こんなところにも小麦が!と思うような料理もたくさんあります。
厳しくしすぎると、それもストレスになってしまうので、無理をしないことが大切です。パンは週一回にする…などからはじめても構いません。量を減らすだけでも、体調が良くなる方も多くいます。できるところからはじめてみることをおすすめします。グルテンの摂取量をいろいろと調整してみて、自分に合った食事法を見つけていきましょう。そして、快調な毎日を過ごせるように、頑張っていきましょう!